掛け捨て保険と貯蓄型保険、正直どっちがいい?両方試した30代が本音で答えます
⏱ 読了時間: 約10分(4172文字)
▼ 本記事でおすすめのサービス TOP3
【結論】掛け捨て保険 + 自分で資産運用の組み合わせが、ほとんどの人におすすめです。ただし「自分で貯蓄できない性格」「家計管理に自信がない」という人には、貯蓄型保険の強制貯蓄機能にメリットがあります。
「毎月の保険料、掛け捨てだともったいない気がする。でも貯蓄型は高いし、本当に得なのかわからない」——これは筆者自身がまさに30代で感じていた悩みです。
掛け捨て保険と貯蓄型保険の両方に実際に加入してきた一般ユーザーとして、この記事では具体的な数値と実体験をもとに、どちらを選ぶべきかを解説します。2026年時点の保険料水準をベースに書いていますので、これから保険を見直す方はぜひ参考にしてください。
掛け捨て保険とはどういう仕組みですか?
掛け捨て保険とは、保険期間中に死亡や入院などの保険事故が起きなかった場合、支払った保険料が戻ってこないタイプの保険です。その分、月々の保険料が安く抑えられるのが最大のメリットです。
代表的な商品として、ライフネット生命の「かぞくへの保険」、オリックス生命の「定期保険 Bridge」、SBI生命の「クリック定期!」などがあります。正直に言うと、これらは保険の本来の役割——万が一のリスクに備えることを最も効率よく実現しているのが特徴です。
30歳男性・死亡保障1,000万円の場合、月額保険料は約1,000〜1,500円程度が一般的な水準です。これは貯蓄型保険と比べると驚くほど安いんです。
「掛け捨て=損」というイメージを持つ方が多いですが、あくまで個人の感想ですが、保険はあくまで「もしもの時の安全ネット」であって、「貯蓄商品」ではありません。その役割に特化した掛け捨て保険を、本来ならば最初に選ぶべきなんです。
貯蓄型保険とはどういう仕組みですか?
貯蓄型保険は、万が一の保障に加えて、解約返戻金や満期保険金として支払った保険料の一部が戻ってくるタイプの保険です。終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険などが代表例です。
たとえば明治安田生命の「つみたて学資」や、日本生命の「みらいのカタチ 終身保険」などが知られています。保障と貯蓄を兼ねられる一方で、月々の保険料は掛け捨て型の3〜5倍以上になるケースも珍しくありません。
同じ30歳男性・死亡保障1,000万円で終身保険に加入すると、月額保険料は15,000〜25,000円程度になることが多いです。建前を抜きにして言えば、これはかなり高額です。
掛け捨てと貯蓄型、根本的な違いは何ですか?
一言でいえば「保険料の使われ方」が違います。
掛け捨て保険では保険料のほぼ全額が保障のコストに充てられます。一方、貯蓄型保険では保険料の中に「保障コスト」と「貯蓄部分」が含まれており、保険会社がその貯蓄部分を運用して将来の返戻金を作ります。
つまり貯蓄型保険は、掛け捨て保険料 + 強制貯蓄を1つにまとめた商品と考えるとわかりやすいです。月額1,000円の保険料 + 月額18,000円の貯蓄を、19,000円の貯蓄型保険として支払っているようなイメージですね。
問題は、その「強制貯蓄」部分の運用効率が、自分でNISAやiDeCoを使って運用するよりも低くなりやすい点にあります。これが最大の懸念点です。
同じ保障内容なら保険料はどのくらい違いますか?
30歳男性・死亡保障1,000万円で比較すると、以下のような差があります。
| 項目 | 掛け捨て(定期保険) | 貯蓄型(終身保険) |
|---|---|---|
| 月額保険料の目安 | 約1,000〜1,500円 | 約15,000〜25,000円 |
| 保険期間 | 10年・20年など一定期間 | 一生涯 |
| 解約返戻金 | なし(またはごくわずか) | あり(払込完了後に払込総額の100〜110%程度) |
| 60歳までの総支払額(30歳加入) | 約36万〜54万円 | 約540万〜900万円 |
保険料の差額は月に約14,000〜23,000円になります。
この差額を自分で積立投資に回した場合、年利3%で30年間運用すると約800万〜1,300万円程度になる計算です。貯蓄型保険の返戻金は払込総額の100〜110%程度であることが多いため、単純な「お金を増やす」目的なら自分で運用するほうが効率的といえるわけです。
貯蓄型保険の返戻率は本当にお得ですか?
2026年現在、低金利環境がやや改善傾向にあるものの、円建て終身保険の返戻率は払込完了後でも100〜110%程度にとどまるケースが大半です。
仮に30歳から60歳まで30年間保険料を支払い、返戻率が105%だとすると、年利換算では約0.3%程度にしかなりません。
同じ期間つみたてNISAで全世界株式インデックスファンド(たとえば楽天・全世界株式インデックス・ファンドなど)に投資した場合、過去の実績ベースでは年利4〜6%程度のリターンが期待されています。
ただし投資にはリスクがある点が重要です。貯蓄型保険は確実にお金が増える一方、投資は元本割れのリスクもあります。「お金を増やす効率」なら自分で運用するほうが優れていますが、「確実性」なら貯蓄型保険に軍配があがります。正直なところ、この「確実性」が、貯蓄型保険の数少ない真の利点だと思います。
途中解約すると損をするって本当ですか?
本当です。これが貯蓄型保険の最大の落とし穴であり、多くの人が見落としている危険性です。
多くの終身保険は、払込期間の途中で解約すると返戻金が払込総額の50〜70%程度しか戻りません。筆者も実際に経験しましたが、2025年9月頃に家計が厳しくなり貯蓄型保険の解約を検討した際、返戻金が払込額の約62%と言われて愕然としました。
つまり、5年間で約540万円支払った終身保険が、解約時には約335万円の価値しかなくなっていたわけです。これは掛け捨て保険にはない大きなリスクです。掛け捨て保険であれば、不要になった時点で解約しても「今後の保険料が不要になる」だけで済みます。ライフスタイルの変化が大きい20〜40代は、この流動性の差を必ず考慮すべきです。
実際に使ってわかったこと
筆者は28歳の時にライフネット生命の「かぞくへの保険(定期死亡保険)」に加入し、同時期に大手生命保険会社の終身保険(貯蓄型・月額約18,000円)にも加入しました。現在まで約8年間、両方を維持した結果をお伝えします。
ライフネット生命はWeb完結で申し込みから約15分で手続きが完了し、月額約1,200円で死亡保障2,000万円を確保できました。良かった点として、保険料が安く家計の負担がほとんどないこと、Web管理画面で保障内容の確認・変更がすぐできることが挙げられます。気になった点としては、保障期間が10年限定のため、更新時に保険料が上がる可能性がある点です。
差額の約16,800円を毎月つみたてNISAに回した結果、約8年間で投資元本は約160万円、評価額は約210万円(2026年1月時点)になっています。
同期間の終身保険の解約返戻金は約145万円程度で、掛け捨て + 自分で運用するほうが約65万円上回っている状況です。
友人に保険の話を相談して気づいたことがあって、その友人は貯蓄型保険を20年継続していたのですが「毎月いくら支払ってるかもう忘れてた」と言ったんです。つまり、貯蓄型保険は「加入してからは忘れがち」になりやすく、本当に必要な保障額かどうかを定期的に検証するハードルが高いんだと実感しました。一方、掛け捨て保険は月額が少ないぶん、定期的な見直しが自然と習慣になるメリットがあります。
掛け捨て保険が向かない人の特徴
掛け捨て保険には向き不向きがあります。以下に当てはまる場合は、貯蓄型保険を検討する余地があります。
- 自分で貯蓄・投資ができない性格:強制貯蓄機能がある貯蓄型保険のほうが向いている
- 家計管理に自信がない:浮いたお金を使ってしまうリスクがある場合は、貯蓄型保険で強制的に貯蓄するほうが安全
- 短期間で解約する可能性が低い:少なくとも20年以上加入し続ける確信があれば、貯蓄型保険の返戻率も合理性が出てくる
- 相続対策が急務:終身保険の非課税枠(法定相続人1人あたり500万円)を活用する合理性がある場合
- 超低金利に耐えられない心理:元本が確実に増える安心感を重視したい場合
年齢・ライフステージ別の判断基準
20代独身の場合: 掛け捨て保険で十分です。必要な保障は就業不能時の収入保障程度。貯蓄は給与から自由に積立投資するほうが合理的です。
30代既婚・子どもあり: 掛け捨て保険 + 自分で運用するのがベストです。差額を子どもの教育費積立や住宅ローン返済に充てるほうが家計の安定性が高まります。
40代以上・すでに資産がある場合: 相続税対策として貯蓄型保険(終身保険)を活用する合理性が出てきます。ただしその場合でも、必要最小限の金額に留めるべきです。
少し話が脱線しますが、保険選びって結局のところ「自分の人生設計と家計状況」に尽きるんです。正解は万人に共通ではなく、毎月いくら貯蓄できるのか、どのくらいのリスク許容度があるのか、ライフプランはどうなのか——こうした個人差で大きく変わります。だからこそ、保険営業の「一生涯の保障」「必ず増えます」といった定型的な売り文句に乗らず、冷静に自分の人生設計と照らし合わせることが重要なんです。
結論:あなたにはどちらがおすすめ?
掛け捨て保険 + 自分で資産運用の組み合わせが、ほとんどの人におすすめです。理由は単純で、効率性で優れているからです。
ただし、「毎月20万円以上の余剰資金がある」「自分で投資管理できる」「ある程度のリスク許容度がある」という3つの条件が揃っていることが前提です。
1つでも欠ける場合は、貯蓄型保険の「強制貯蓄 + 確実性」というメリットを活用する価値があります。大事なのは「一般的な正解」ではなく「あなた自身の正解」を見つけることなんです。
今月から保険の見直しを検討している方は、まずは自分のライフプラン表を作り、今後20年でいくら貯蓄が必要か、どのくらいの金利を期待できるか、リスクはどこまで許容できるかを整理してから、掛け捨てか貯蓄型かを判断することをおすすめします。