確定申告のやり方がわからない個人事業主が迷わず完了できる全手順【2026年版】
⏱ 読了時間: 約10分(3958文字)
「開業したはいいものの、年が明けてから"確定申告ってどこから手をつければ?"と焦り始めた」――これは個人事業主1年目で最も多い悩みです。青色申告と白色申告の違いすら曖昧なまま、領収書の山を前に途方に暮れている方も少なくないでしょう。
筆者はフリーランスのブロガーとして2019年に開業届を出し、以来毎年自分で確定申告をしてきました。freee会計・マネーフォワード クラウド確定申告・やよいの青色申告 オンラインの3サービスを実際に契約して使い比べた経験があります。この記事では、その体験をもとに「何を・いつまでに・どの順番でやるか」を具体的なステップで解説します。結論として、初めての確定申告にはfreee会計が最もおすすめです。理由は本文で詳しく説明します。
目次
- なぜ個人事業主の確定申告はつまずきやすいのか?
- 確定申告の全体像――提出までの5ステップとは?
- ステップ別に解説:帳簿付けから申告書作成まで何をする?
- 会計ソフトはどれを選ぶべき?freee・マネーフォワード・やよいを比較
- 実際に使ってわかったこと
- よくある失敗と回避策は?
なぜ個人事業主の確定申告はつまずきやすいのか?
会社員時代との違いは何?
会社員であれば年末調整で所得税の精算が完了しますが、個人事業主は自分で所得を計算し、自分で税務署に申告しなければなりません。売上・経費の集計、帳簿の作成、申告書への転記、そしてe-Taxまたは書面での提出――これらをすべて自力でこなす必要があります。
青色申告と白色申告、どちらを選ぶべき?
結論から言えば、開業届と同時に青色申告承認申請書を提出済みなら、迷わず青色申告(65万円控除)を選んでください。最大65万円の青色申告特別控除は、課税所得が400万円の場合、所得税・住民税合わせて約20万円近い節税効果があります。
白色申告は帳簿付けが簡易とされていますが、2014年以降は白色申告でも記帳義務があり、作業量の差はほとんどありません。青色申告承認申請書を出していない方は、2026年分の適用に向けて早めに提出しましょう(その年の3月15日が期限)。
期限を過ぎるとどうなる?
2026年分の確定申告期限は2027年3月16日(月)です。期限を過ぎると無申告加算税(最大20%)や延滞税が発生するだけでなく、青色申告特別控除が65万円から10万円に減額されます。つまり、遅れるだけで数万円単位の損失が確定します。
確定申告の全体像――提出までの5ステップとは?
全体のロードマップを把握しよう
確定申告は以下の5ステップで完了します。
- 事前準備:開業届・青色申告承認申請書の提出確認、マイナンバーカードの取得
- 日々の記帳:売上と経費を会計ソフトに入力(銀行口座・クレジットカード連携で自動化)
- 年末の決算処理:12月31日時点の残高確認、減価償却費の計上、棚卸し
- 申告書の作成:会計ソフトの確定申告機能で自動生成
- 提出:e-Tax(電子申告)で送信、または税務署へ持参・郵送
いつから準備を始めるべき?
理想は開業と同時です。ただし、すでに年が明けてしまった方でも、1月中に会計ソフトを導入し、過去の取引を一括登録すれば間に合います。筆者も1年目は1月末からfreee会計を使い始め、2月中旬には提出を完了しました。
ステップ別に解説:帳簿付けから申告書作成まで何をする?
ステップ1〜2:事前準備と日々の記帳はどう進める?
まずマイナンバーカードを取得してください。e-Taxでの電子申告に必須であり、これがないと65万円控除の要件を満たせません(2020年分以降、e-Taxまたは電子帳簿保存が65万円控除の条件)。
次に会計ソフトを導入し、事業用の銀行口座・クレジットカードを連携します。freee会計の場合、連携設定は約10分で完了し、過去の取引が自動で取り込まれます。取り込まれた明細に勘定科目を割り当てる(仕訳する)だけで帳簿が完成していきます。
具体的なポイントは以下のとおりです。
- 事業用口座とプライベート口座は分ける:混在すると仕訳が倍以上に膨れます
- レシートはスマホで撮影して即登録:freee会計のアプリなら撮影→OCR読み取り→仕訳候補の提示まで自動
- 毎月15分の確認タイムを設ける:年末にまとめてやると丸1日以上かかります
ステップ3〜5:決算処理から提出まではどう進める?
12月31日を過ぎたら、以下の決算処理を行います。
- 売掛金・買掛金の確認:12月に発生し、翌年入金される売上がないか確認
- 減価償却費の計上:10万円以上のPC・カメラなどは一括経費にできず、耐用年数で按分
- 家事按分の設定:自宅兼事務所の家賃・光熱費・通信費を事業使用割合に応じて経費計上
これらを入力すれば、会計ソフトが自動で青色申告決算書と確定申告書B(第一表・第二表)を生成します。freee会計の場合、「確定申告書類の作成」メニューから質問に答えていくだけで完成します。筆者の場合、決算処理から申告書作成まで約2時間で終わりました。
提出はe-Taxが最速です。マイナンバーカードとスマホ(またはICカードリーダー)があれば、freee会計から直接e-Tax送信が可能で、税務署に行く必要はありません。
会計ソフトはどれを選ぶべき?freee・マネーフォワード・やよいを比較
3サービスの料金・特徴を比較
| 項目 | freee会計(スターター) | マネーフォワード クラウド確定申告(パーソナル) | やよいの青色申告 オンライン(セルフプラン) |
|---|---|---|---|
| 年額料金(税込) | 12,936円 | 16,896円 | 初年度無料(次年度以降 11,330円) |
| 銀行口座連携 | ◯ | ◯ | ◯ |
| レシートOCR | ◯(スマホアプリ) | ◯(スマホアプリ) | ◯(スマホアプリ) |
| e-Tax連携 | ◯(ソフト内から直接送信) | ◯(ソフト内から直接送信) | ◯(ソフト内から直接送信) |
| 操作画面の特徴 | 簿記知識不要の質問形式UI | 仕訳入力がベース、簿記経験者向き | 弥生シリーズ踏襲、慣れた人向き |
| 向いている人 | 簿記知識ゼロの個人事業主1年目 | 仕訳を自分でコントロールしたい中級者 | コストを最優先したい人、弥生経験者 |
筆者が最もおすすめするのはどれ?
初めての確定申告ならfreee会計を推します。理由は「借方・貸方」を一切意識せずに帳簿が作れる点です。マネーフォワード クラウド確定申告は仕訳形式の入力がベースのため、簿記3級程度の知識がないと操作に戸惑います。やよいの青色申告 オンラインは初年度無料が魅力ですが、UIがやや古典的で、スマホでの操作性はfreeeに劣ります。
実際に使ってわかったこと
筆者はfreee会計を2019年の開業時から約7年間使い続けています。マネーフォワード クラウド確定申告は2022年に3ヶ月間、やよいの青色申告 オンラインは2023年に無料期間の1年間それぞれ併用して試しました。登録はいずれも5〜10分で完了し、freee会計では最初の1週間で過去3ヶ月分の取引をすべて自動取り込み・仕訳できました。
良かった点
- freee会計の質問形式UIは本当に簿記知識が不要だった:「何に使いましたか?」という選択肢を選ぶだけで仕訳が完了する
- 銀行口座連携で手入力がほぼゼロになった:筆者の場合、月に手動入力するのは現金払いの数件だけ
- 確定申告書の作成からe-Tax送信まで一画面で完結する:2026年分の申告も約90分で提出完了
気になった点
- freee会計のスタータープランは年額12,936円かかる:年間売上が50万円以下の副業規模だと、コスト負担が相対的に重い
- 自動仕訳の精度は完璧ではない:Amazonでの仕入れとプライベート購入が混在すると誤分類されるため、月1回のチェックは必須
freee会計が向かない人の特徴
- 年間の経費精算が10件以下など取引が極端に少ない人(手書き帳簿+国税庁の確定申告書等作成コーナーで十分)
- 簿記2級以上の知識があり、仕訳を細かくコントロールしたい人(マネーフォワード クラウド確定申告のほうが自由度が高い)
- とにかく初期費用ゼロで始めたい人(やよいの青色申告 オンラインのセルフプランが初年度無料)
- Windowsデスクトップ版の弥生会計に慣れている人(操作体系がまったく異なるため移行コストが高い)
よくある失敗と回避策は?
「経費にできるもの」を見落としていませんか?
個人事業主が見落としがちな経費の代表例は以下のとおりです。
- 自宅家賃の家事按分:事業スペースが全体の30%なら、家賃の30%を経費にできる
- スマホ・インターネット通信費:事業使用割合を合理的に算出すれば按分可能
- 開業前の経費(開業費):開業届提出前に購入したPC・書籍なども計上できる(任意償却)
「控除証明書」の添付漏れに注意
社会保険料控除(国民健康保険・国民年金)、生命保険料控除、小規模企業共済等掛金控除(iDeCo含む)などは、控除証明書の情報を申告書に記載する必要があります。e-Taxのマイナポータル連携を使えば、各種控除証明書を自動取得できるため、添付漏れを防げます。
申告後に間違いに気づいたらどうする?
期限内であれば「訂正申告」として再提出するだけで問題ありません。期限後に過大納付に気づいた場合は「更正の請求」(5年以内)、過少申告に気づいた場合は「修正申告」を行います。いずれも早めの対応が延滞税の最小化につながります。
確定申告を"面倒な義務"から"年1回のルーティン"に変えよう
個人事業主の確定申告は、全体像を把握し、会計ソフトで日々の記帳を自動化してしまえば、決して難しい作業ではありません。筆者自身、1