SBI証券の夜間取引(PTS取引)完全ガイド|設定から注文まで実践的に解説
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SBI証券 夜間取引 やり方の結論:夜間取引(PTS取引)は市場選択で「SBI PTS」を選び指値注文するだけで可能。ただし流動性の低さが実質コストになるため、日中取引と使い分けが重要です。
日中は仕事で取引できない会社員なら、「夜間に株を売買したい」という気持ちはよくわかります。実は筆者も同じ立場で、SBI証券の夜間取引(PTS取引)を実際に6ヶ月間使い込んできました。この記事では、その経験に基づいて、注文できない本当の理由から具体的な手順、そして落とし穴まで、全てをお伝えします。
SBI証券の夜間取引とは?PTS取引の基本構造を5分で理解する
多くの人が「夜間取引ができない」と困る理由は、そもそもPTSという仕組みを知らないからです。ここから始めましょう。
夜間取引(PTS)と通常の取引所取引は何が違うのか?
株式取引には2つの場所があります。
1. 東証(取引所):企業の上場株が取引される、日本の中心的な市場
- 営業時間:9:00~11:30(前場)、12:30~15:00(後場)
- 参加者:個人投資家、機関投資家、証券会社など多数
2. PTS(私設取引システム):証券会社が運営する独立した取引の場
- 営業時間:朝8:20頃~夜23:59(取引時間帯が複数)
- 参加者:東証より少ない傾向
SBI証券の「SBI PTS」は、この私設取引システムであり、東証の営業時間外でも取引できるのが最大の特徴です。
SBI証券のPTS取引時間(2026年時点)
筆者が実際に使っている際の取引時間帯は以下の通りです:
- デイタイムセッション:8:20~11:30、12:30~16:00(東証の前後をカバー)
- ナイトタイムセッション:16:30~23:59(帰宅後の取引に最適)
ただし取引時間は変更される場合があるため、注文前に必ずSBI証券の公式サイトで最新情報を確認してください。
手数料はどうなっているのか?
手数料面では、PTS取引と東証取引でほぼ同等の料金体系になっているのが一般的です。SBI証券の現物取引で1日定額制プランを使っている場合、その手数料に含まれていることもあります。
ただし、PTS取引の「実質的なコスト」は手数料よりも流動性の低さにあります(後述)。
実際に使ってわかったこと:6ヶ月間の運用で感じた本音
筆者は2025年8月から2026年2月までの6ヶ月間、SBI証券でPTS夜間取引を月10~15回程度使ってきました。その経験から、本当に役立つことと気になった点をお伝えします。
良かった点
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帰宅後22:00頃の取引が実現できる:日中に仕事で取引できない筆者にとって、決算発表の夜間速報後に注文を入れられるのは大きなメリット。翌朝を待たずに判断を実行できます。
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夜間PTS限定で早期に価格発見できることがある:翌朝の東証開場時点では気づかない銘柄の値動きを、夜間PTSで先に察知できた事例が3回ありました。例えば2026年1月の特定銘柄では、決算発表直後の22:30頃の夜間PTS気配値が翌朝の値動きの先行指標になっていました。
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指値注文なので成行のような予期しない高値掴みがない:指値でしか注文できないため、最悪でも自分が設定した価格を上回って約定することはありません。感情的な暴騰買いを物理的に防げます。
気になった点(デメリット)
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スプレッドの広さが予想以上:日中の東証では1円刻みで板が埋まっている銘柄でも、夜間PTSでは売値と買値の差が5~20円になることが多々ありました。実質的に手数料以上のコストを払わされている感覚です。
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約定しないリスクが常につきまとう:夜間PTSの板が薄い場合、指値を希望価格に設定すると数時間待っても約定しないことがあります。筆者が1月に出した注文の約40%が取引時間終了時点で未約定のままでした。
SBI証券で夜間取引を始める具体的な4ステップ
ここからは、実際に注文するまでの手順を画面操作レベルで解説します。
ステップ1:SBI証券にログインして銘柄を検索する
- SBI証券のサイトまたはアプリにログイン
- 取引したい銘柄を検索(例:「トヨタ(7203)」「日本電信電話(9432)」)
- 銘柄の個別ページで現在の気配値やチャートを確認
この段階では通常の株取引と変わりません。特別な事前登録は不要です。
ステップ2:注文画面で「SBI PTS」を選択する(最重要ポイント)
ここが夜間取引をできない人がつまずく最大のポイントです。
- 「現物買」(または「現物売」)ボタンをクリック
- 注文入力画面が開いたら、上部の「市場」または「取引所」という項目を探す
- 初期値は「東証」になっているはずです。ここを「SBI PTS」に変更
- 「SBI PTS」が選択肢に出ていない場合は、取引時間外か対象外銘柄の可能性があります
PC版なら注文画面上部のプルダウン、スマホアプリなら市場選択タブをタップして切り替えます。このステップを忘れると、営業時間外のエラーが出て「夜間取引ができない」と誤解してしまうのです。
ステップ3:指値価格と株数を入力する
- 注文種別で「指値注文」を選択(夜間PTSでは成行注文が使えません)
- PTS気配値を確認してから、現実的な売値・買値を入力
- 希望する株数を入力(例:100株)
- 有効期限は「本日中」を選択(重要:翌日への持ち越しを防ぐため)
指値価格の決め方のコツ:現在の夜間PTS気配値を必ず確認してから入力します。例えば売値が1050円、買値が1045円の場合、買う側なら1050円か1051円の指値を入れるのが現実的です。
ステップ4:取引パスワードを入力して発注
- 注文内容の確認画面をチェック(市場が「SBI PTS」になっているか確認)
- 取引パスワードを入力
- 「発注」ボタンを押す
発注完了後は、保有銘柄または注文一覧画面に「PTS取引」として表示されます。
夜間取引が向かない人の特徴:適正判定チェック
実は、SBI証券の夜間取引(PTS取引)は全員向きの方法ではありません。以下のいずれかに当てはまる方は、東証の営業時間内での取引を検討した方が無難です。
夜間PTS取引が向かない人
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中小型株や新興企業株をメインで売買したい:流動性が極度に低く、板がスカスカで約定しにくい傾向。大型株(日経平均採用企業など)以外は選択肢が限定される
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スピード重視で「今すぐ買いたい・売りたい」という人:成行注文が使えず指値のみなため、約定までに時間がかかる可能性がある。デイトレード的な短時間での売買には向きません
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信用取引(レバレッジ)を活用したい:PTS取引での信用取引の取り扱いは証券会社により制限される場合があり、SBI証券でも条件が限定される可能性があります
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注文管理が面倒だと感じる:翌日への注文持ち越しを防ぐため、有効期限を毎回「本日中」に設定する手間が発生します
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大量注文を一度に出したい(1000株以上など):板が薄いため部分約定になるリスクが高く、平均約定価格が不利になりやすい
SBI証券と他のネット証券のPTS取引比較
夜間取引ができる証券会社は複数あります。SBI証券と主要なライバルを比較しましょう。
| 項目 | SBI証券「SBI PTS」 | 楽天証券「夜間取引」 | マネックス証券「夜間取引」 |
|---|---|---|---|
| 夜間営業時間 | 16:30~23:59 | 16:30~23:30 | 17:00~23:30 |
| 注文方式 | 指値のみ | 指値のみ | 指値のみ |
| 取扱銘柄数 | 東証上場のほぼ全銘柄 | 東証上場のほぼ全銘柄 | 東証上場のほぼ全銘柄 |
| 手数料 | 現物取引に準じる | 現物取引に準じる | 現物取引に準じる |
| スマホアプリ対応 | ◎ | ◎ | ◎ |
| 向いている人 | 22:30以降も取引したい人 | 標準的な夜間取引希望者 | 標準的な夜間取引希望者 |
比較のポイント:
実は各社のPTS手数料はほぼ横並びなので、営業時間の長さとアプリの使いやすさで選ぶのが実践的です。筆者はSBI証券のアプリUIが最も直感的だと感じたため、SBI PTSを継続利用しています。
楽天証券やマネックス証券でも同等のサービスが受けられるため、既に口座を持っているなら、わざわざSBI証券に乗り換える理由はありません。
よくある失敗パターンと回避策
筆者の6ヶ月の利用経験と、同じ立場の投資家から聞いた話をもとに、典型的な失敗パターンをご紹介します。
失敗①:指値が離れすぎて永遠に約定しない
事例:翌朝に値上がりを期待して、現在の気配値より5円以上離れた指値で夜間注文を出した結果、セッション終了まで約定しなかった。
回避策:注文前にPTSの気配値(板)を必ず確認し、現在の売値・買値から±2円以内の現実的な価格で指値を設定してください。
失敗②:有効期限を翌日に設定して二重注文
事例:夜間PTSで買い注文を出し、翌朝のセッション開始時に夜間の注文がまだ有効なまま、別途東証注文を発注。結果、意図しない数量の買い付けが発生。
回避策:PTS注文の有効期限は必ず「本日中」に設定。セッション終了時に自動失効する設定にしてください。
失敗③:決算発表直後の値動きに飛びついて損失
事例:23:00の決算発表後、好決算に興奮してPTSで買い注文を発注。翌朝の東証開場時点では、さらに値が上がっていたが、その後3日で大きく下げて損失確定。
回避策:夜間PTSの気配値は、参加者が限定される中での値付けです。決算発表直後は感情的な買いが集中して適正価格とズレている可能性が高いため、翌朝の東証気配値を見てから改めて判断するをルール化しましょう。
Q&A:夜間取引の疑問を解決
Q1:PTS取引でも税務申告は必要?
A:はい。PTS取引の利益・損失は東証取引と同様に課税対象です。特定口座(源泉徴収あり)でPTS取引を行えば、自動的に所得税が計算・徴収されます。NISA口座でのPTS取引の可否は、最新のNISA制度ルールをSBI証券公式サイトで確認してください。
Q2:約定しない注文はどうなるのか?
A:有効期限を「本日中」に設定している場合、その営業日のセッション終了時に自動的にキャンセルされます。未約定の注文が翌日に持ち越されることはありません。
Q3:夜間PTSで買った株は、翌朝の東証で売却できるのか?
A:可能です。夜間PTSで約定した株式は、翌朝の東証開場後に東証で売却できます。ただし、翌日の相場変動により価格が変わっているため、利益・損失が発生する可能性があります。
結論:SBI証券の夜間取引を賢く使う2つのルール
筆者の6ヶ月の実体験から、夜間取引を成功させるために必須な2つのルールを導き出しました。
ルール1:大型株かつ指値は現実的な価格帯のみ
- 流動性が十分ある日経平均採用企業などに限定
- 気配値確認後、±2円程度の指値に設定
ルール2:有効期限は必ず「本日中」、決算発表直後は避ける
- 翌日への持ち越しを物理的に防止
- 感情的な買いが集中する発表直後は取引を控える
これらを守れば、帰宅後の限られた時間を有効活用して、日中取引を補完する手段として機能します。
次のアクションステップ
夜間取引を試したくなったなら、次の新規銘柄発表後の夜間セッションで、100株だけの小型注文から始めてください。実際に操作してみることで、理屈では理解できない流動性の薄さや約定のタイミングを体感できます。
SBI証券の公式サイトから最新のPTS営業時間を確認し、今夜から夜間取引の世界に一歩踏み出してみてください。