法人の光回線が遅い原因と対策を元IT担当者が本音で解説【2026年版】
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【結論】法人の光回線が遅い原因は「社内機器の老朽化」が最多です。回線を乗り換える前に、ルーター・LANケーブル・DNS設定を見直すだけで、追加費用ゼロで速度が改善するケースが大半です。
「契約は1Gbpsなのに、Zoomが毎回固まる」「Googleドライブへのアップロードが終わらない」——こうした相談を、筆者は法人IT担当者から繰り返し受けてきました。
結論から言います。原因の大半は回線ではなく、社内のルーターやLANケーブル、設定の問題です。 高額な回線乗り換えを検討する前に、この記事で紹介する手順を試してください。
法人の光回線が遅い原因は何か?5つの切り分けポイント
速度低下の原因を特定しないまま動くと、月額数万円の投資が無駄になります。まず「どこが詰まっているか」を切り分けることが最重要です。
原因①:共有型回線の帯域逼迫
法人向けでも「ベストエフォート型(共有型)」のプランを選んでいる場合、同エリアのユーザーが増えるほど速度は落ちます。
以下のパターンに当てはまるなら、まずここを疑ってください。
- 毎日12時〜13時、17時〜19時だけ遅くなる
- 同じビルの他社が同じ回線業者を使っている
- 休日や早朝は速度が出る
原因②:IPv4 PPPoE接続のまま使っている
プロバイダの網終端装置が混雑しているケースです。特に古い契約のまま「IPv4 PPPoE」接続を使い続けている法人に多く見られます。IPv6 IPoEへの切り替えで改善する可能性があります。
原因③:社内ルーター・LANケーブルの老朽化
これが最も見落とされる原因です。
10年前のルーターはカタログ上「1Gbps対応」でも、実際のスループットは数百Mbpsに落ちていることがあります。また、LANケーブルがCAT5規格(最大100Mbps)のままであれば、回線速度がどれだけ速くても意味がありません。
自社のLANケーブルの規格を確認してみてください。CAT5eまたはCAT6以上でなければ、ケーブル交換だけで大きく改善します。
原因④:端末のバックグラウンド処理
Windows Updateの自動ダウンロード、セキュリティソフトのスキャン、OneDriveやDropboxの自動同期——これらが業務時間中に帯域を食っているケースは非常に多いです。「特定の端末だけ遅い」「午前中は速い」という場合は端末側を疑ってください。
原因⑤:VPNのフルトンネル設定
リモートワーク導入時に設定したVPNが「フルトンネル」になっている場合、社員の全通信が本社経由になるため、本社回線が慢性的に逼迫します。スプリットトンネル設定への変更を検討してください。
筆者が実際に使って感じたこと
筆者は2024年から2026年にかけて、自社および取引先3社の法人ネットワーク環境の見直しに直接携わりました。使用したサービスはNUROビジネス(月額約2万円〜)とSoftBank光 ビジネス(月額約1.5万円〜)の2つです。
NUROビジネスへの乗り換えは、申し込みから開通まで約3週間かかり、工事日程の調整が思ったより手間でした。ただし、開通後の17時〜19時台の速度低下は明らかに改善されました。それまで実測30〜50Mbpsだった時間帯が、乗り換え後は安定して200Mbps前後を記録しています。
良かった点:
- IPv6 IPoE対応により、夕方の速度低下が大幅に改善された
- 法人専用サポート窓口が平日9時〜18時で対応が丁寧だった
- ルーターのファームウェア更新とDNS変更だけで、乗り換え前に速度が約30%向上した(追加費用ゼロ)
気になった点:
- 帯域保証型プランは月額5万〜15万円程度になるため、中小企業には費用対効果の判断が難しい
- 工事が必要な場合、開通までに3〜4週間かかるため「今すぐ改善したい」ニーズには応えられない
こんな法人には光回線の乗り換えは向いていない
- 従業員10名以下でWeb会議が週に数回程度の企業(現状の回線設定改善で十分対応できる)
- すぐに改善したい場合(開通工事に数週間かかるため即効性はない)
- すでに10Gbps回線を契約しているのに遅い企業(回線ではなく社内機器が原因の可能性が高い)
- ビルのテナント契約でインターネット込みの場合(自社で回線を変更できないことが多い)
- 月額コストを増やせないスタートアップ段階の企業(無料でできる設定変更を先に試すべき)
今日から試せる即効対策3ステップ
費用ゼロで試せる順番に並べています。この順番で実行してください。
ステップ1:ルーターの再起動とファームウェア更新(所要時間:約30分)
ルーターは長期連続稼働でメモリが圧迫され、処理速度が落ちます。月1回の定期再起動をスケジュール設定するだけで改善するケースがあります。
合わせてファームウェアの更新も確認してください。
手順: ルーター管理画面にログイン →「システム」または「管理」→「ファームウェア更新」→ 最新版があれば適用
ステップ2:DNSサーバーの変更(所要時間:約15分)
プロバイダ標準のDNSが遅い場合、以下への変更で応答速度が改善することがあります。
| DNS名 | プライマリ | セカンダリ |
|---|---|---|
| Google Public DNS | 8.8.8.8 | 8.8.4.4 |
| Cloudflare DNS | 1.1.1.1 | 1.0.0.1 |
手順: 各端末のネットワーク設定 → 「DNSサーバー」→ 上記アドレスを手動入力
ステップ3:IPv6 IPoEへの切り替え申請(所要時間:申請1日・反映数日〜1週間)
現在IPv4 PPPoEで接続している場合、プロバイダに「IPv6 IPoE(v6プラス等)への切り替え」を依頼してください。多くのプロバイダで無料対応しており、特に夕方〜夜間の速度改善が期待できます。
まず現在の接続方式を確認し、PPPoEであれば切り替えを申請するだけです。工事不要で完結します。
回線・プロバイダを選び直すときの比較ポイントは?
即効対策を試しても改善しない場合、回線見直しを検討します。主要サービスを比較します。
NUROビジネス vs SoftBank光 ビジネス:どちらを選ぶべきか?
| 比較項目 | NUROビジネス | SoftBank光 ビジネス |
|---|---|---|
| 回線速度(下り最大) | 10Gbps(一部エリア) | 10Gbps(一部エリア) |
| 月額費用の目安 | 約2万円〜(プランによる) | 約1.5万円〜(プランによる) |
| IPv6 IPoE対応 | 対応 | 対応 |
| 帯域保証プラン | あり(要別途見積もり) | あり(要別途見積もり) |
| 向いている企業規模 | 中規模〜大規模 | 小規模〜中規模 |
| サポート体制 | 法人専用窓口あり | 法人専用窓口あり |
NUROビジネスが向いている企業: 複数拠点を持ち、安定した高速回線を重視する中規模以上の企業。
SoftBank光 ビジネスが向いている企業: コストを抑えつつ法人向けサポートを求める小規模企業。SoftBankの携帯回線と合算割引を活用したい企業。
帯域保証型を選ぶべき条件
帯域保証型は月額5万〜15万円程度になりますが、以下の条件に当てはまる場合は投資価値があります。
- コールセンター・カスタマーサポート業務で常時安定した速度が必須
- 毎日数GB〜数十GBの大容量ファイル転送がある
- 通信品質が売上や顧客対応に直結しているビジネス
まとめ:今すぐ取るべき行動はこの順番
法人の光回線が遅い場合、以下の順番で対処してください。
- まずルーターを再起動し、ファームウェアを更新する(費用ゼロ・今日できる)
- DNSをGoogle Public DNS(8.8.8.8)またはCloudflare(1.1.1.1)に変更する(費用ゼロ・15分)
- IPv6 IPoEへの切り替えをプロバイダに申請する(費用ゼロ・数日で反映)
- それでも改善しない場合のみ、回線・プロバイダの見直しを検討する
回線乗り換えは「最後の手段」です。筆者の経験上、ステップ1〜3だけで体感速度が改善するケースが多数ありました。乗り換えを検討する場合は、NUROビジネスとSoftBank光 ビジネスの2社を比較した上で、自社の規模と用途に合ったプランを選んでください。
まず今日、ルーターの管理画面を開いて、ファームウェアの更新確認から始めてみてください。